多層包帯法 バリエーション

多層包帯法(バンテージ療法、MLLB)はたくさんの医療材料があります。
一般的には伸びにくい包帯を使用することが多いです。
手間はかかりますが、日々サイズが変化していく患肢にぴったりの圧迫ができるところがいいところです。

サイズを減らすために効果的な包帯法、そして素材はなにか。みんなで日々考え、試しています。
今日はスタッフの何人かで自着性のある包帯を巻いた時の圧力の変化を実験しました。

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多層包帯法の効果を出すためのコツはたくさんあります。
その中でも大切なのは皮膚の外に固い壁を作るような巻き方ができること。
固い壁。ピンとこない表現ですよね。

よく伸びる素材でギュッと締め付けるように巻き、じっと動かないでいるとどんどん締めつけが強くなり、痛い包帯となります。
ですが、伸びにくい素材で層を重ねるように、固い壁をつくるように巻いた包帯は締めつけが少なく、じっとしていても痛くなりにくくなります。
また、締めつけの強い圧迫は動かすと痛いですが、固い壁の包帯は筋ポンプが働きやすく・・・

言葉だけで表現していると難しい。詳しくはセミナーにお越し下さいませ。じっくりお話し致します。

自着性のある包帯は包帯どうしがくっつく素材で出来ています。
ですので包帯と包帯の間の摩擦力が強く、幾重にも重ねなくともしっかりと固い壁ができそう。
けれど実際の圧力は???
そこでピコプレスという測定器で計測したところ・・・。
とても効果的な数値がでました!

難点は包帯がほとんど伸びないので巻き方に慣れるまで少し練習が必要そうなことと、一般に使う包帯よりもお高いこと。
難点をいくつか克服できれば、この包帯とストッキング、この包帯とチューブ包帯などでセルフケアを簡単にできるかも。

一本でも少ない包帯で
1分でも少ない時間で
1工程でも少ない手順で
浮腫を効果的に解消できる方法、まだまだ出てくるはずです。

日々研究です。

ベテル南新宿診療所
ヨシダマキ