ドイツ研修 リンパ浮腫クリニックとmedi工場見学

ドイツ
ドイツに行ってまいりました。
残念ながら観光ではございません。朝8:30~夜6時過ぎまで、びっちりスケジュールが組まれた強行軍の研修です。

とてもハードな研修でしたが、得たものは大変多かったです。
いくつかご紹介いたします。

初日はクリニックの見学から始まりました。
クリニック

こちらはドイツでも浮腫治療に積極的で常に新しい試みを行っているクリニックです。
たとえば・・・
クリニック」おん@
写真は音波によって脂肪浮腫を改善するのだそうです。
ドイツに行って初めて知ったことですが、ドイツはヨーロッパの中でも肥満の問題が深刻なのだそうです。
ですから一口に浮腫といっても脂肪性の浮腫が多いようです。

こちらでは主に入院による治療がおこなわれています。
広々とした個室に、明るい食道(メニューは1日1200キロカロリーのダイエット食)、バンテージルーム、最新のマシン、個室マッサージルーム、エクササイズスタジオなど。
入院し、管理された毎日の中で患者さんは快適に浮腫を解消していくそうです。
日本ではまだまだ入院しての浮腫治療は一般ではありません。
これからどんどん増えるかもしれませんが、それにはもう少し時間がかかりそうです。

ドイツのクリニックをそのまま日本でというのは難しいですが、使用していた伸縮性がほとんどないバンテージや新しい試みは興味深かったです。
キネシオテープでのリンパの流れを整えるという話も試してみたい方法です。
こちらはもう少し検討の余地アリです。

そして午後は弾性着衣において世界的に大きなシェアをもつmedi社の工場見学です。
medi
バイロイトという町にある立派な会社です。

残念ながら工場の中は撮影禁止とのことでしたので写真は外観だけで申し訳ございません。

中はとても清潔で整然とした空間でした。
弾性着衣に平編みと丸編みがあるのは多くの方がご存知だと思います。
(詳しくお知りになりたい方は講習会に是非ご参加くださいませ。来年は5月ごろに開催できればと準備中です。)
それぞれがズラッと並ぶ編み機でどんどん編まれていく様子は圧巻でした。
また、それらは規定の伸び率になっているかなど人の手でチェックが入ります。

編まれた生地は熱処理によって縮められ、より圧迫力のあるものにしていきます。

そしてオーダーメイドのフロアでは1mm単位に型どられた記事をひとつひとつ認定を受けたベテラン職人が縫っていきます。
その様子は薄暗いなかで黙々と・・・ではなく、明るい開放感のある部屋で皆さんのびのびとされていました。
タグもひとつひとつ手で縫い付けです。
高額な弾性着衣ですが、リンパ浮腫の患者さんにとってなくてはならない大切なアイテム。
作られている過程を見ると値段にも納得はいくのですが・・・。
ほとんどを保険でカバーできているドイツに比べると、日本の患者さんのご苦労は大きい。
私ひとりがどうこうできることではありませんが、ひとりでも多くのリンパ浮腫療法士の方が増え、治療成果が上がり、治療全般が保険でカバーできるようになるといいなと思います。

さて。
長くなりました。そのほかの情報はまた改めて。