リンパ浮腫・外来のご案内

リンパ浮腫は、治らない症状ではありません。しかし,治療の基本は毎日のトリートメントが必要で,患者さんはこれを習得することが 治療の第一歩になります。我々は,それを指導,サポートするのが一番の仕事だと考えております。リンパ浮腫は放置すればするほど,線維化が進行し 治療が難渋します。気になることがあれば,ご相談ください。

お悩みの方はお気軽に、お電話・メールよりご相談ください。

リンパ浮腫とは?

リンパ浮腫とはこんな状態です

何かの原因によってリンパ系の流れが阻害され、その結果生じた浮腫というむくみの症状です。一般的に上肢および下肢に症状があらわれますが、首、顔、腹部にも現れる場合もあります。浮腫を生じた部位は慢性化すると炎症や繊維症になることがあります。当院で専門的に診療しているのは、主に二次性、手術によって生じたリンパ浮腫です。

リンパ浮腫は程度(病期)によっていくつかに分けられます

ステージ0
潜在期
自覚症状はなく、むくみが認められない状態
ステージ1
可逆性の
リンパ浮腫
むくみが認められますが、押すと容易にくぼみができる状態です。 患肢を挙上しておくと浮腫が軽減するのが特徴で、これは線維症に なっていないためです。
ステージ2
不可逆性の
リンパ浮腫
結合組織が増加し硬くなるために、むくんだ部分を指で押しても、 なかなかくぼみが出来ない状態です。
ステージ3
象皮病
むくんだ部分を押しても、くぼみはできません。組織の線維化や 硬化が極限に達しており、皮膚も乳頭腫や角化などの変化を認めます。

リンパ浮腫には一次性と二次性があります

一次性
リンパ浮腫
原因が明らかではないリンパ浮腫のことで、先天性(リンパ管の 形成不全・発育不全など)・散発性・非先天性家族性があります。
二次性
リンパ浮腫
外科手術(乳がん、子宮がんなど婦人科系の疾患、大腸がん、 前立腺がん など)感染症、外傷、腫瘍など、様々な原因により起こっ たリンパ浮腫。

リンパ浮腫は女性だけの症状ではありません

一般にリンパ浮腫は乳がん、子宮がんの手術の後に発生しますが、 膀胱がん、前立腺がんや大腸がんなど、骨盤のリンパ腺郭清を行った手術の後にも 発生することがあります。

女性だけに特有の症状ではありません。 男性でも、このような手術を受けた方は十分注意する必要があります。

リンパ浮腫 は、男性も女性と同じような治療が必要になります。

リンパ浮腫の治療に関して

複合的理学療法 によりリンパ浮腫の治療を行っています。

当院ではドイツFoeldi(フェルディー)クリニックで行われている「複合的理学 療法」の治療を行います。「複合的理学療法」とはリンパ浮腫に対する保存的療法の事 です。M,Foeldi氏により生理学、解剖学の理論を元に体系づけられました。医師の 管理の元での幾つかの理学療法の組み合わせを中心とした治療で、症状を軽減する ことが出来、精神的・肉体的苦痛を和らげ生活の質の向上をめざします。

  • 徒手によるリンパマッサージ
  • 圧迫療法
  • 運動療法
  • 皮膚と爪のケア
  • セルフケア

上記5つの治療を基本とします。

複合的理学療法についての詳細はこちら

こんな時はまず医師に相談してしてください。

炎症の徴候(悪寒戦慄、発赤、発熱)を感じるとき。
浮腫を起こしている皮膚は非常に細菌感染しやすく、特に赤く腫れたり熱をもったりした場合は蜂窩織炎という感染症の可能性があるの で注意しましょう。
過って怪我をしたとき
やはり怪我により細菌感染を起こしてしまいやすい為、要注意です。
腕または脚の痛み、圧痛が起きたとき
一般的にリンパ浮腫は痛みを伴うことはあまりありません。勿論違和感や、だるさなどの症状はありますが、強い痛みを感じたときは 注意してください。
皮膚に、いつもは見られない充血、うっ血を見つけたとき
治療の圧迫により循環不全を引き起こすことがあります。長い時間そのままにしておくと重篤な症状を引き起こすことがあります。
水虫の様な感染症がある場合
むくみの治療中に悪化することがあるので、事前に治しておくことが必要な場合があります。

リンパ浮腫外来を受診するには

  • 完全予約制とさせて頂いておりますので、まずはご来院前にお電話にてご予約下さい。
  • ただし、蜂窩織炎などの急性炎症症状、たとえば四肢の発赤、ほてり、痛みなど が自覚される場合や急激に浮腫がひどくなった場合は、早急な対処が必要な場合 があります。その際は早急に診察させていただきます。
  • お電話にて診療費、材料費の御質問も承ります。

リンパ浮腫診療をお受けになる方へ(当院からのお願い)

  • 当院で施行しておりますCDT(複合的理学療法)は、おひとりの診察・ 治療に一定の時間(約90分)・ 専属のセラピストを要します。
    そのため、完全予約制となりますので必ず事前のご予約をお願いします。(特に初めての方は事前にご連絡下さい。)
  • リンパ浮腫の原疾患(むくみのもとの病気;乳がん、子宮がん、その他のがん) の治療を受けられている方は出来るだけ主治医の先生に紹介状(情報提供書)を 作成していただき、初診の際にご提示ください。また他医療機関からのご紹介に よる方は必ずその旨をお知らせください。当院では主治医の先生と綿密な連携を 基に診療を行っております。
  • 当院での診察の結果、治療による副作用や悪化が予想される場合は治療出来ない 場合があります。御了承くださいますようお願いします。
  • ご高齢の方や若干でもお世話を受けられている方の場合は、ご家族や介助者のお立ち会い が効果的です。ご同伴でのご来院をお勧めしています。
  • 当院のリンパ浮腫の治療(複合的理学療法)は現時点で保険診療が認められて おりません。材料費(包帯など)を含め、一部実費となります。
  • 通院治療が原則ですが、遠方の患者様に関してのご相談も承ります。
  • その他、ご不明の点があればお気軽にお問い合わせください。

リンパ浮腫治療に関する講習会を随時開催しています。

医療に従事されている方を対象にフェルディークリニッククローゼT&C、 で実践している「複合的理学療法」の講習会や研修を行っております。

講習会レポート

弾性着衣採寸講習会

写真:リンパ浮腫研修の様子

フェルディークリニックでの研修のご案内もしております。

フェルディークリニック

写真:リンパ浮腫講習会

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